- 鳥飼なすとはどんな野菜ですか。
- 「とりかいなす」と読みます。大阪府摂津市の鳥飼地区を原産地とする丸なすで、大阪府の「なにわの伝統野菜」に認証されています(認証制度上の表記は鳥飼茄子)。江戸時代から栽培されてきました。ソフトボールほどの大きさで、収穫期の実は五百グラム前後になります。皮が柔らかく果肉が緻密で、自然な甘みがあり、煮ても炒めても崩れにくいのが特徴です。
- なぜ「まぼろしの野菜」と呼ばれるのですか。
- 栽培に手がかかりすぎるため、作り手がほとんどいなくなったからです。栽培が最盛期だった大正から昭和にかけて摂津市内には60軒前後の栽培農家がありましたが、昭和40年代以降も栽培を続けた農家は1軒だけになりました。いまは市の農業振興会とともに栽培が続けられ、生産者は少しずつ増えています。
- なぜ栽培が難しいのですか。
- 他のなすに比べて多くの水と手間を必要とし、連作ができないためです。実が重く枝が垂れて、葉に擦れるだけで艶に傷がつきます。そのため夏のあいだは毎日、株ごとに枝を吊り、脇芽と葉を落として光を通してやる作業が要ります。一晩で大きくなる野菜なので、一日空ければそのぶん品質が落ちます。
- 賀茂なすとは違うのですか。
- 違います。大阪府の資料は鳥飼茄子について「京都の賀茂なすに似るが、やや下ぶくれで、皮が柔らかく、果肉が緻密で独特の甘味がある」と説明しています。かたちがやや下ぶくれで、皮が柔らかいぶん、皮をむかずに使えるのが鳥飼なすの持ち味です。
- 鳥飼なすの旬はいつですか。
- 初夏から夏です。摂津市によれば生のなすはおおむね6月から7月に販売され、大阪府の資料では収穫時期は7月から9月とされています。秋なすは9月ごろ。出回る期間が短いため、時期を外すと手に入りにくい野菜です。
- 鳥飼なすはどこで買えますか。
- 当社の鳥飼なすは食材ECサイト「セッツマルシェ」から購入できるほか、摂津市内の飲食店にも直接お届けしています。摂津市役所の売店では加工品の「まぼろしの鳥飼なす漬」も販売されています。毎年夏には摂津市商工会が主催する「鳥飼なすワン」があり、市内の飲食店が一斉に鳥飼なすの一品を出します。
- 鳥飼なすはどう食べるのがおいしいですか。
- 定番は田楽です。皮ごと厚さ2〜3センチの輪切りにして、じっくり焼いて田楽味噌をのせます。果肉が緻密で崩れにくいので、揚げ浸し、丸ごとの焼きなす、煮物、厚切りのステーキ仕立てにも向きます。えぐみが少ないためアク抜きはほとんど不要です。詳しい手順は食べ方とレシピのページにまとめています。